「できちゃった婚」の経済効果を考えた
広末涼子が「できちゃった婚」。お相手の岡沢高宏をイメージ検索してみましたが、ヒットしません。残念。
ところで、先日、『けっこんぴあ関東版』の石川純代編集長とお茶をする機会がありました。彼女いわく、今、結婚するカップルの二組に一組は披露宴を行わず、四組のうち一組は「できちゃった婚」とのこと。ある意味、“ピュアでトラディショナルなカップル”は四組のうち一組だけで、その比率は、年々減少する傾向にあるとか。
古今東西、結婚ほど景気のいいイベントはありません。私のホームグラウンドは旅モノの編集企画なので、海外ウエディングがいかに旅行市場を支えているかをよく知っています。格安航空券や宿泊のインターネット予約が普及し、旅行者一人あたりの旅行単価は減少傾向にありますが、海外ウエディングとシニア向け市場は堅調に推移しています。結婚は、一生に一度のイベントですから、やはり財布のひもは緩くなるようです。
さて、「できちゃった婚」の場合、当然のことながら、結婚のすぐ後に出産が控えています。「できちゃった」ことがわかって、すぐに式場や披露宴の予約・準備をしても、結婚式は数カ月後になります。もちろん結婚式以外にも、新居を探したり、家電やインテリアを買ったりと、新生活準備が必要ですから、連日十万円が一万円のように飛んで行きます。そこに出産準備が重なるわけですから、たいそうな物入りになること必至。となると、消費者の心理としては、「まとめて手際よく、まとめてより安く」を求めたくなるのでは。
「できちゃった婚」の普及(?)は、結婚と出産をシームレスにつなぎます。ウエディングビジネスはより市場を拡大するべく、出産ビジネスへと垣根を越えて行くでしょう。
「このドレス、いま、とても人気ですよ。今なら、同じデザイナーの新生児ドレスも付いて、すごくお得なんです。」
いや、先に「できちゃった」ことがわからないと「できちゃった婚」にならないので、ビジネスチャンスとしては出産ビジネスの方が一歩有利かもしれません。ブランド産院の窓口に、結婚式場のパンフレットが並ぶ日も近いのでは。
【 追記 】
「けっこんぴあ関東版」石川編集長は、同じ年に競合版元に入社して、競合情報誌に配属されたライバル編集者です。ずっと関西で仕事をしていて、30歳を過ぎてから東京で仕事をするようになった点でも、同じ版元の先輩、後輩より近しいものを感じます。霞ヶ関官僚でも同期入社というのは、省庁の壁を超えて通じるものがあるそうです。「同期の桜」です。