大学・通信教育課程の学費を家計で管理するポイント

高額の学費を家計で管理するには

 私が在学する早稲田大学人間科学部 通信教育課程(eスクール)は、日本の数ある大学の通信教育課程の中でも、飛び抜けて学費が高い。卒業までの学費は、大学の既卒向けのαコース(2年次編入学)は約350万円~約450万円(認定単位数により変動あり)、βコース(1年次入学)の場合は450万円である。それぞれ最短の3年間、4年間での卒業を目指すと、年間100万円以上が必要となる。

 年間100万円を超える学費を、家計でどのように管理すべきかについて考えてみたい。

年間の学費は12等分して毎月計上

 年間の学費は、たいてい春と秋の2回に分けて納める場合が多い。例えば、年間120万円の学費を4月と10月に支払い、その月の家計に60万円を計上すると、12か月の費用が平準化しない。この計上方法だと、支払い月は大きく赤字になる一方、支払い月以外は本来の財務力以上にお金を使ってしまいがちだ。学費は年間の費用なので、12か月に均等して毎月の家計に計上すべきだ。

 従って、年間の学費が120万円なら、家計簿には毎月10万円ずつ計上する。その際、必ず月初1日目に10万円を費用として記載するようにしたい。これは学費に限らず、年間払いの保険や自動車税も同様である。つまり年間で支払い金額が確定している費用はすべて均等にして、毎月の月初に計上する。そうすれば、普段の生活で、残りいくら使えるお金に余裕があるのかが実感できるようになる。これは自分の学費だけでなく、子どもの学費についても同じだ。

マネーフォワードを使用した私の家計簿

「計上」と「現金の出入り」を分けて考える

 会社の経営者や経理部門で働く人なら常識だが、家計においても「収入・支出の計上」と「現金の出入り」は分けて考えるべきだ。クレジットカードで買い物をした月と、支払い月がずれるイメージに近い。

 なお、入学金を12か月の月割にするかは判断に迷うところだが、私は自分の場合も子どもの学費も、初年度は入学金+年間学費を総費用として12等分して計上した。

 一方、学業に伴う支出であっても、教科書や参考書の費用は月により変動するので、購入月に計上している。

まとめ

 学費の家計管理においては、支払い時期に左右されずに計画的に準備を進めることが重要である。年間の学費を12か月に分割して計上し、支払いの負担を平準化することで、無駄な出費を防ぎ、安定した家計管理が可能となる。

 また、「支出」と「現金の出入り」を分けて考えることで、家計の実態を正確に把握しやすくなる。これらの方法を活用すれば、自分や子どもの学費を無理なく管理できるだろう。