しゃれた洋館「旧大井村役場」をのぞく(ふじみ野)
スクーターの修理が終わって、渋滞の川越街道(国道254号)をノロノロ北上していると、右手に「国登録有形文化財 旧大井村役場 公開中」という看板が目に入った。「公開中ということは、普段は非公開かも」と思って、スクーターを停めてのぞいてみることにした。
「昭和初期のしゃれた洋風住宅みたいだな」と思ったら、1937年(昭和12年)に竣工した建物だった。
大井は川越街道沿いにあるため、江戸時代は宿場町「大井宿」があったが、「大井」という自治体名は、2005年に上福岡市と入間郡大井町が合併してふじみ野市となり、なくなってしまった。
1960年代の高度経済成長期でベッドタウン化するまで大井は転入者が少なく、一帯は武蔵野の雑木林の広がる農村地帯だった。完成した当時、さぞや村民はモダンな建物にびっくりしたことだろう。
建物は木造二階建て。建築面積は121平方メートルなので、ちょっと大きな一軒家って感じだ。
一階の玄関を入ると役場の広い事務室。しっかりとした造りの当時の木製事務机は、アンティーク家具好きの私にはたまらない逸品だった。
カウンターには部署名(担当名?)が書かれた三角錐型のネームプレートがあった。「勧業」「兵事」等、当時の役所の仕事がうかがうことができる。
二階は議場。中央奥の木の扉は、天皇と皇后の御真影(写真)を収めた奉安殿。実物の奉安殿を見たのは初めてだ。
左下は村会議員の控室。畳敷きの小部屋だった。靴を脱いで休憩したのだろうか。右下は宿直室。昔の小学校の用務員室に見えた。
帰り際、市の職員らしき人から、ふじみ野市の観光マップをもらった。大井宿の本陣跡もすぐ近くにあるみたいだ。川越からはスクーターですぐ。次回、出かけてみよう。