マルクス『経済学・哲学草稿』で染みる言葉

編集者のスタンスに立つと、マルクスの文章は長くて、くどくて、まったくもって好きになれません。また、翻訳者泣かせの著者でしょう。

ただ、マルクスの『経済学・哲学草稿』の中で生まれた「疎外された労働」という言葉だけは、特別な存在。30代半ばをすぎてマネジメント業務が主になり、仕事が忙しく、トホホなできごとが増えるほど、心にしみてきます。

もし、労働の生産物が私に疎遠であり、疎遠な力として私に立ち向かうなら、それはいったい、だれに属するのか?

最近、自分のやっている仕事が、20代の頃より疎遠な気がするなぁ。

経済学・哲学草稿(岩波文庫)
著者/カール・マルクス
翻訳/城塚登、田中吉六
発行/岩波書店