シュートはゴールへのパス、本文は黒い写真
日本経済新聞の朝刊スポーツ欄「ジーコとジャパン〜ドイツへの軌跡」に、ジーコ監督の面白い言葉を発見。
「ゴールの空いている所にパスを通しなさい。それがシュートというものです」(中略)日本にありがちな「落ち着いて蹴れ」という指導より具体性を帯びており、こう言われれば、なるほどと分かる。
さすがは、現場を知るトッププレーヤーの言葉です。思わず、20代の頃、グラフィックデザインの何たるかを教えていただいた編集長の言葉を思い出しました。
本文は黒い写真と考えて、レイアウトすること。
「デザインする際、写真と本文のバランスを大切にする」なんて、デザインの教則本にありがちな言葉より、100倍説得力がありました。こういう言葉は、実際にレイアウト用紙に定規と鉛筆で書き込んだ経験を持つ編集者しか、語れない言葉だと思います。
もう一つ、ジーコ監督の言葉。
サッカーとは90分を使って勝敗を決するゲーム。途中でどちらかがリードしているかを争うものではない。90分という時間を頭に入れて戦え
こちらも本作りと同じですね。
雑誌の編集スタッフにありがちなのが、企画、取材から校正、検版、印刷という工程のうち、前半戦のプランニング部分に力が入って、後半戦の校正から印刷、納品で集中力をなくすタイプです。
サッカーでいうと後半45分、見本刷の確認を怠って、ISBNコードの抜けで取次に納品できないなんて「ドーハの悲劇」を、私は目撃したことがあります。
ジーコ監督の発言には、今後も要注目です。