作家・倉橋由美子氏の訃報
Excite:<訃報>倉橋由美子さん69歳=作家
倉橋由美子さん、亡くなりました。ちょっとショック。
高校2年生くらいの時に、彼女の小説を初めて手に取りました。新潮文庫、幾何学的な装幀があまりに素敵だったから。私にとって一番の作品は「ヴァージニア」でしょうか。男子校の高校2年生の私には、とにかく鮮烈でした。
認識とは食べることである」といわれているが、対象が人間であある場合、「食べる」というよりも、さしあたり「まじわる」というほうがあたっている。つまりある人間を知ることは、自分を挿入すること、相手をわがものにすること、を意味していると考えてよい。
~「ヴァージニア」より~
少年のファロスは薔薇色のバナナだ。それはかれの存在の柄であり、把手だ。広い胸の平原、世界の秦まで伸びていく足、匂いのよい夏草、Lはそれを所有する
~「鷲になった少年」より~
今、思い出すと、思春期の私は彼女の小説に「萌え」ていたのだと思います。
『アマノン国往還記』『大人のための怪奇掌篇』『大人のための残酷童話』等、1980年代以降の作品は、なぜだかまったく読んでいません。
これを機会に読んでみようかな。