感想/宮崎市定『中国政治論集』
北宋時代の王安石、司馬光から、清の李衛、近代の曽国藩、康有為、毛沢東まで、中国政治のイデオローグが勢揃いするオムニバスアルバム。一冊で、中国政治に綿々と流れる「通奏低音」が概観できます。
あえて、一曲を選ぶなら、戊戌変法の立役者、康有為の統籌全局疏を推します。「日本の明治維新に範をとるのがもっとも便利」と結論し、明治政府の地方統治や経済政策を見本に示すあたりは、“反日”以前の中国の日本観が垣間みられて興味深いです。
林彪の毛主席語録前文に始まり、時代を遡って王安石の上皇帝万言書に終わるところに、編集センスを感じました。
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