感想/平中悠一『ギンガム・チェック』
今日、私のセクションの女性スタッフが、ギンガムチェックのワンピースを着ていました。「僕のブログをもしや読んだのだろうか」と錯覚&誤解させてしまうのは、ギンガムチェックの魔力‥‥。
ところで、ギンガムチェック好きの男性は、極めてコンサバティブな価値観を持っていると思います。ギンガムチェックに心揺れる男性の価値観について、詳しく述べたエッセイ集が平中悠一著『ギンガム・チェック』。発行は1990年。エッセイの端々に、1980年代のペパーミントカラーのキャンパスライフ(!)が垣間みられ、懐かしい思い出にひたることができます。
この中で、平中氏は「コンサバティヴな僕の意見」「僕の女のコの趣味は保守的か?」など、男性ギンガムチェック党員の本音をストレートにあますことなく伝えています。なかでも、下記のフレーズが秀逸。
ティーンの頃のGFとさよならした時に、彼女は僕にこう云った。
「ねえ、君はあたしの男になりたいんじゃなしに、あたしの父親になりたかったのよ」
さあね、と僕は肩をすくねる。
僕はただ、君の息子になりたくなかっただけさ。
ギンガムチェック好きの男性は、女性にリクエストが多いため、うっとおしがられるのかも。
ちなみに、エッセイ集のラストのタイトルは「いつも心にギンガム・チェック」。仲世朝子さんのイラストもステキです。