庄内旅行- 奈曽の白滝、鳥海山鉾立へドライブ
象潟を後にして、鳥海山ブルーラインで登山口としてポピュラーな鉾立を目指した。
途中、奈曽の白滝という名勝が地図にあり、立ち寄ってみた。鳥海山から流れる奈曽川にある滝で、1932年に「奈曽の白瀑谷」として国の名勝に指定、1950年には新日本観光地百選の一つに選ばれた由緒ある名勝だ。
この夏、雨の量が多かったのか、たまたまよい時期に訪問したのか、「白滝」というよりも「瀑布」という名前の方がふさわしい豪快な滝だった。以前に見た日光の華厳の滝より、はるかに迫力があった。
下は、スマートフォンで撮影したビデオ。音量を上げてご覧ください。
周囲は深緑の樹木が茂り、滝の水しぶきで湿っぽく、渓谷独特の幽玄な空気が漂う。滝は吊り橋を渡って一周し、右の写真の水が流れ落ちるところを上から眺めることもできた。
不思議なのが、写真を見ると深い山の中にありそうだが、この滝の上流は平坦な田畑が広がっている。田畑は後に開墾されたのだろうか。のどかな田畑と豪快な瀑布、意外な組み合わせだった。上流は何のことはない普通の川なので、子どもが上流で水遊びをして流されるようなことがないか、心配になった。
この奈曽の白滝のすぐそばには、金峰神社(きんぽうじんじゃ)という古い社がある。鳥海山も月山と同じく山岳修験道の地として知られるが、ここは江戸時代「蔵王堂」と呼ばれて鳥海修験の中心地として栄え、宿坊集落があったらしい。この滝に打たれて修行を行ったのだろうか。今は見る影もないが。
金峯神社には、「御宝頭の舞」「チョウクライロ舞」「鳥海山小滝日山番楽」「アマノハギ」「雅楽」という5つの舞楽がが継承されているらしい。
こういう山村の伝統芸能は、ちゃんと調べてから出かけてないと、なかなか触れることはできない。行き当たりばったりの旅のデメリットだ。
金峯神社を後にして、鳥海山ブルーラインをクルマで上がる。きつい勾配だが、道路は整備されているので30分ほどでクルマで登ることができる最高地点、鉾立に到着した。
標高は1,150メートル。クルマのドアを開けると、ひんやりとした冷気が肌に染みた。少し登山をしてみたかったけれど、雲の流れが速く肌寒いので、ここの展望台からの眺望で我慢した。
鳥海山は標高が2,236メートル、東北第二の山で「出羽富士」とも呼ばれている。海に近い日本海側の山としては、鳥取県の大山に近いイメージがある。大山もそうだが、海に近い山は天候が激変するため、侮れないのだ。
一時間弱滞在しただろうか。いっとき雲が途切れ、眼下に庄内平野が見える瞬間があった。関東平野と違い、緑にあふれた平野だった。
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