庄内旅行- 鶴岡の即身仏を巡礼-南岳寺
鶴岡市内には4つの即身仏が祀られている。
この日は朝から本明寺と大日坊瀧水寺、注連寺と、鶴岡市内にある三つの即身仏を拝観した。ここまで訪れた三つのお寺は鶴岡市内とはいっても、かなり郊外にある。午後は市街地になる南岳寺を参拝。その前に、腹ごしらえに国道162号線沿いに見つけたそば屋「大梵字」に立ち寄った。
芝生の広い敷地に、田麦俣で見た多層住宅風の建物が気になったのだ。駐車場は十分に広い。バスツアーの観光客も訪れるのだろうか。
庄内地方はそばが名物のようだが、その理由はよくわからない。ただ、月山山頂の山小屋の夕食で出た、収穫したそばの実を殻をむかずにそのままの状態で茹でた「むきそば」はとてもおいしかった。
昨夜と今朝、旅館で豪勢な食事をしたので、シンプルなざるそば(800円)を注文。しっかりとした歯ごたえのする、食べごたえのあるそばだった。付け合せの胡麻豆腐もおいしかった。
店内には、庄内のオーガニックなおみやげ物も売られていた。会社の同僚へのおみやげにせんべいをいくつか買った。
食後は、クルマで鶴岡市街地にある南岳寺に向かう。途中コンビニでコーヒーを買ったり寄り道をしたが、30分程度で着いた。
南岳寺は、午前中の三つのお寺と違い、鉄筋コンクリートの近代的なお寺だった。入口に「拝観中のガム、タバコはご遠慮願います」と注意書きがあった。これはガムをかみながら、タバコを吸いながら、参拝するような不謹慎な人がいたってことだろうか。
ベルを鳴らすと、係のお坊さんが出てきて「そもそも即身仏とは? 即身仏になるには?」等の説明をしてくださった。これはどこのお寺でも最初に説明をしてもらって今日は四度目だけれど、初めて聞くような顔でお聞きした。
南岳寺は、鉄竜海上人の即身仏を祭ってある。
鉄竜海上人は秋田県仙北郡仙北町の出身で、注連寺においても修行。注連寺に即身仏として祀られている鉄門海上人に師事し、加茂坂の道路改修工事の際は責任者を務めたとパンフレットに書かれてある。いずれにせよ、注連寺、鉄門海上人とは深い関係にあった僧侶のようだ。
なお、62歳で上人が入寂したのは明治元年(1868年)。明治時代に自殺幇助罪として禁止されるまで、即身仏という風習は続いていた。決してはるか昔のできごとでないのだ。
南岳寺は境内は檀家のお墓になっており、観光地の風情ではない。参拝を済ませて10分ほどで後にした。
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