庄内旅行- 武家門をくぐり「鶴岡カトリック教会」へ

2023年4月15日

鶴岡公園内にある荘内神社。その鳥居からまっすぐと伸びる参道を歩いて行くと、クラシックな教会の塔が見えた。鶴岡カトリック教会の天主堂だ。

教会に到着すると、入口は何だか古風な武家屋敷に見える。ここはもともと庄内藩家老の末松家の屋敷があった場所。門のみ、江戸時代の面影を残している。いかめしい武家門と白亜の天主堂、そのコントラストが面白い。

門をくぐると幼稚園があり、平日ならにぎやかな子供たちの声が聞こえてきそう。だが、土曜の夕方で敷地内は私一人で閑散としていた。

早速、国指定重要文化財である高さ23.7メートルの天主堂の中へ。入口の受付も誰もおらず、パンフレットをもらって堂内に足を踏み入れた。

カトリックの教会見学は、建築物として純粋に楽しめる反面、どこか心の中で「異教徒が信者の大切な場所に入ってよいものか」という後ろめたさを感じる(私は仏教徒)。神社仏閣と違って、長居するのは申し訳ない気分になるのは私だけだろうか。

ともかく、日本の仏教寺院の本堂の多くが横に広い空間であるのに対して、カトリック教会は高い天井を持つ縦に広い空間である場合が多い。見上げると、天井の美しい曲面に目を見張った(リブ・ヴォールト天井というらしい)。正面の窓から差し込む日の光が祭壇を後光のように照らし、荘厳な空気を醸し出していた。

堂内には、日本で唯一の「黒いマリア像」が安置されていた。世界的にも珍しいものらしいが、残念ながら黒い仏像に慣れた私には今ひとつ珍しさが分からなかった。午前中に見た即身仏のインパクトが大きかったことも影響していると思う。

振り向くと、入口の上にパイプオルガンがあった。オルガニストが二階に上っていく螺旋階段もある。ぜひ響きを聴いてみたい。日曜のミサに参加すれば聴くことができるのだろうか。YouTubeを探すとクリスマスのミサの模様が動画で見られた。

翌朝、鶴岡を発つので難しいが、いつかこの天主堂に響くオルガンの音色を聴いてみたいと思った。


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