やはり「鉄は国家なり」かな
06年粗鋼生産、過去最高に迫る・32年ぶり高水準(NIKKEI NET)
このところの円安と中国の需要拡大で、鉄鋼業が調子いいようですね。新日鉄、住友金属、神戸製鋼の株価もうなぎ上り。昨年末は、楽天、ライブドアを筆頭に、インフォメーションテクノロジー系企業が注目されていましたが、今年末は世相の色合いが違って見えます。
インフォメーションテクノロジー業界が元気いいよりも、鉄鋼業が元気な方が何だかズシンと響くものを感じるのは、私が1960年代の高度経済成長期に生まれたからでしょうか。お隣の韓国でも、造船業が調子いいようですし、東アジアの重厚長大産業が気になる2007年の年の瀬です。
ディスカッション
コメント一覧
「鉄は国家なり」とはちょっと上から目線すぎじゃない?
「鉄は日本文明なり」のほうがあの鉄の芸術品である日本刀を生み出した日本人の民族性をあらわしているのでは?
そうですよね。そうなるとやっぱり鉄鋼メーカーで真に日本の底力を担っているのは日立金属さんあたりになるとおもうのよね~。ものづくりという観点から考えると一目瞭然。
鈴木さん、日本文明への道さん、2年ほど前の記事にコメントありがとうございます。間もなく年の瀬ですが、2年の間に経済状況も変わってしまいましたね。鉄の工業地域で育ったもので、やっぱり「鉄」って気になってしまいます。ではでは。
それって出雲の鉄がヤマト王権設立の原動力になったっていう話ですよね。
驚くほど素直なお話ですね。
わたしは、記紀の話から考えると、一般的日本人の興味はどうやって日本の国の原形が出来たのかということを知りたかったはず。それに対し、歴史学者や考古学者の一部は、邪馬台国論争に明け暮れたり、古代吉備の話に摩り替えたり、前方後円墳の研究に偏重したり、年代区分をいじくったり、不誠実にもほどがある。
だから、日本人は日本の国に興味を無くしてしまい、日本文明の危機が叫ばれるまでになった。嘆かわしい。
司馬遼太郎さんが生きていたらどういうだろうか。
司馬遼太郎の日本文明論「この国のかたち」
鉄が古代以来の日本像を作る、と司馬さんは述べて、その成因に多湿の気候を合わせて考えているのは興味深い。
鉄の生産が日本各地の起こりをわける長い歴史があるが、明治以前の鉄が砂鉄を原料とし、そして生産工程に木が要ったのである。
一工程を、ひとよ、というそうだが、3昼夜で、たとえば2トンの鉄を作るのに砂鉄が12トン、木炭が12トンを必要量とする、鉄を作るのに樹木伐採があったのである。
中国山脈は禿山となることなく、砂鉄採取の掘り崩し、植林によるその山脈の維持と、続いてきたことになる、そのために多湿が影響している。
鉄の生産に石炭が使われるようになる。
森を救うというわけだが、森の造成と産業革命の関係だ。
日本刀の製造にも精錬された鉄が求められる経過がある。
近代以前の鉄の話はそれだけでおもしろい。
出雲の鉄といえば安来鋼が有名ですね。故司馬遼太郎氏がいった和鋼博物館ってところに行きましたが、なかなか興味深い展示物がありました。故俵国一博士の日本刀の切断サンプルなんかは貴重なんでしょうね。
そこにはたしか世界最高水準の特殊鋼メーカー日立金属があるところですね。日本初のジェットエンジンもここの特殊鋼がなければ出来なかったらしい。
私の記憶がたしかなら、日本刀の最古の刀匠、大原安綱がこのあたりで作刀していたと思います。
時代は出雲街道の日本海側ですね。瀬戸内側の姫路あたりにも山陽特殊製鋼、や日本製鉄の広畑工場などがありますよね。
ルパン三世のマモーの正体。それはプロテリアル安来工場で開発されたSLD-MAGICという高性能特殊鋼と関係している。ゴエモンが最近グリーン新斬鉄剣と称してハイテン製のボディーの自動車をフルスピードでバッサリ切り刻んで、またつまらぬものを斬ってしまったと定番のセリフ言いまくっているようだ。話をもとにもどそう、ものづくりの人工知能の解析などを通じて得た摩耗の正体は、リカバリー性も考慮された炭素結晶の競合モデル/CCSCモデルとして各学協会で講演されているようだ。