感想/村上龍『ヒュウガウイルス-五分後の世界2』

宮崎・日向市の鶏大量死は高病原性ウイルス(日テレNEWS24)

村上龍ファンなら、小説『ヒュウガ・ウイルス-五分後の世界(2)』を思い出しましたよネ。タレント知事、原因不明のウイルス、移動制限‥‥これで自衛隊が災害出動すれば、まさに龍さんワールドです。

21世紀はこの小説で始まる。点状出血、内臓溶解、骨格筋の爆発的なケイレン。信じ難い致死率の出現ウイルスは何を象徴しているのか?ずれた時空の日本を襲う生存への最大の試練。世界人類が迎えた「最後の審判」を刻む衝撃のドキュメント。

前作の『五分後の世界』に比べると、インパクト不足は否めないけれど、ウイルスというある意味人類最大の敵との戦いを、身体になぞらえた修辞で書き進めていくところが、この作品の面白いところ。医療の専門家が読むと、どう思われるのか気になります。

しかし、ぜひ三作目を出して欲しいな。映画化されてもおかしくないスペクタル小説でした。

ヒュウガ・ウイルス―五分後の世界〈2〉
著者/村上龍 発行/幻冬舎