往年の東武特急「きぬ」号に乗った
幼少時代、私は「のりもの博士」だった。日がな一日、のりもの図鑑ばかりを見ていた時期があった。大阪に住んでいた私にとって、小田急ロマンスカー、東武「きぬ」号、西武「レッドアロー」号は、憧れの乗り物。首都圏の「のりもの博士」は近鉄のビスタカーや南海「こうや」号に憧れていたのだろうか。
「レッドアロー」号も「きぬ」号も、のりもの図鑑に載っていた往年の車両はみんな引退してしまった。新型車両のスペーシアや小江戸号も活躍しているが、やはり、のりもの図鑑に載っていた車両に乗ってみたかった。
さて、私は最近、家の用事でよく岩槻方面に出かける。その際、通り過ぎる岩槻城址公園には、東武「きぬ」号が保存されている。土曜、少し時間が空いたので、以前から気になっていた「きぬ」号を見に行った。
ただ保存されているだけと思いきや、ちゃんと車両の中に入れた。冷房もついているので、何だかリアルな乗り心地。運転台も入ることができた。運転席はずいぶんと高い位置にあり、この特急の運転士はちょっとしたプライドと優越感を味わっていたのかな、とか思った。