ナヨクサフジの花が満開、紫色に染まる新河岸川
新型コロナウイルスによる在宅勤務が始まり、ひと月半が経過しました。天気のよい朝は、運動不足解消のため、新河岸川の土手を早足で歩いています。
在宅勤務が始まった4月上旬は桜並木が満開で、川沿いは薄いピンク色に染まっていました。同時に菜の花も咲いて、4月下旬、桜の花が散った後は岸辺は黄色一色に。
ゴールデンウィーク頃から、紫色のナヨクサフジの花が咲き始め、今、土手は紫色に染まっています。
在宅勤務で平日を地元で暮らすと、四季の移ろいを色で感じられるのが一番の驚きでした。渋谷のオフィスビルで仕事をしていると、一年を通じて街の色合いは変わりませんから。
ところで、このナヨクサフジ。漢字で書くと「弱草藤」。確かにフジの花に似ていて、藤棚から垂れ下がるように咲く花に比べると、弱々しい草のフジに見えます。実際は、同じようなクサフジより茎が細くて、弱々しく見えることから命名されたとのこと。
もともと、ヨーロッパや西アジアで自生していたものが、飼料として日本に移入されたもの。現在では帰化植物として、全国で広く野生化していて、荒れ地、河川敷、畑で力強く成長しています。
自身が放出する化学物質で他植物の育成を阻害・除去するアレロパシー効果を持っており、その名前とは裏腹にすさまじい繁殖力で、岸一面を紫に染め上げていくようです。
環境省の生態系被害防止外来種リストでは、産業管理外来種(産業または公益性において重要で、代替性がなく、その利用にあたっては適切な管理が必要)に指定されています。
ナヨクサフジは、マメ科ソラマメ属の1年草。この川岸一面に咲く花が、数か月後には大量の豆となって地面に落下。のどかな風景ではありますが、地面では、他の植物との激しい陣取り合戦を繰り広げているのですね。
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