感想/高野悦子『二十歳の原点』を読み直した

高野悦子『二十歳の原点』

二十歳の原点(新潮文庫)
著者/高野悦子
発行/新潮社

私の成人式は1986年。長い長いプールを折り返してスタート地点へ。で、すぐにスタート地点を再びターン、という感慨を持つ成人の日です。

友人のブログに、40歳の誕生日を「2回目の成人式」という記事があったのですが、これ、とても素敵な表現。「40歳」というと結構重い荷を感じるのですが、「2回目の成人式」というと、ようやく大人になれたかな、と何だか身が軽くなった気分です。

20年前の成人式はよく覚えています。小学校で同級生だった草野球少年が、パンチマーマで黒いサングラスをかけた兄貴になっていたり、地味でガリガリだった女のコが和服モデルのようなべっぴんになっていたり、卒業から7年ほどしか経っていないのに、みんなの変貌にびっくり。

成人式終了後、同級生の女のコ数人が私を真ん中に記念写真を撮ってくれました。それだけでも結構ハッピーな気分だったのですが、その際、和服モデルがいきなり腕を組んできたので昇天しそうでした(笑)。

さて、「2回目の成人式」の夜、20年ぶりに本棚から、ある本を取り出しました。高野悦子著『二十歳の原点』。1970年代のベストセラーです。かつて、新潮文庫の100冊の“スタンダードナンバー”で、高校生の頃は共感を持って読みました。しかし、今や38年前、1969年の舞台はあまりに遠く、どうしてもリアリティーが感じられません。

ただ、下のフレーズは印象的。本当に心に残ります。

独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である。

さてさて、次のターンは60歳、還暦へいざ、です。


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