岩手旅行- 花巻郊外、宮沢賢治の観光テーマパークへ
水沢を後にして、宮沢賢治の花巻へ。花巻は二日間滞在した。初日は、郊外の宮沢賢治童話村、宮沢賢治記念館、宮沢賢治イーハトーブ館へ。郊外の大沢温泉に宿泊して、二日目は市内の賢治さん(花巻では親しみを込めて「賢治さん」と呼ぶらしい)の作品ゆかりの地を散歩。
正直、初日に訪れた郊外のテーマパークは今ひとつだった。山林を切り開いた人工的に作られた施設なので、宮沢賢治の世界をリアリティをもって感じることはできなかった。なので、以下、時系列で訪れた場所を淡々と書き留めておく。
JR花巻駅からバスに乗ると、街中を抜けて郊外の田園地帯へ。道すがら、「イーハトーブの明日を開く花巻五大プロジェクト」という公共事業の看板があってドン引きした。イーハトーブの明日は「道作り」で開かれるのか。うーん、そう言えなくもないけれど、賢治さんのイメージと道路建設はどうも合わないなぁ。
で、そのようにして花巻郊外の山林を切り開いた場所に、宮沢賢治童話村、宮沢賢治記念館、宮沢賢治イーハトーブ館がある。郊外の典型的な観光テーマパークだ。
宮沢賢治童話村は子供向きに、とてもよくできたテーマパーク。岩手県の幼稚園・保育園児には絶好の遠足の目的地だろう(男性一人旅には場違いだった)。
左下はメインの建物「賢治の学校」に入ってすぐのファンタジックホール、左下はフィギュアで再現した「セロ弾きのゴーシュ」の物語。
一通り敷地内を散歩の後、童話館を後にして、宮沢賢治記念館へ向かった。
宮沢賢治博物館は、行きに降りたバス程のある通りを渡って、木製の階段を10分ほど登る。結構きつい階段だった。階段を上りきると、小さな展望台があって北上山地の最高峰、早池峰山を望むことができた。一週間の旅は雨天・曇天続きで、結局、早池峰山を眺めることができたのは、この一度きりだった。
宮沢賢治記念館は、彼の一級の資料に触れることができる。ただ、宮沢賢治の作品を読み込んだり、人となりを知っている人には十分に楽しめるけれど、一般の観光客には渋すぎる展示物かもしれない。まぁ、文学館とはどこもそういうものだが。
三つほど、感銘を受けた展示を。
- 生活の中に農機具とレコードが共存しているあたり、賢治さんらしいなと思った。
- 銀河鉄道の夜、何度も草稿が書き直されていた。その時々でインクの色が違っているのが興味深い。
- 「薤露青(かいろせい)」の世界を描いたコンピュータグラフィックスの動画が素晴らしかった(下)。
宮沢賢治が設計したものの、実際に作ることができなかった日時計が「ポランの広場」という場所にあった。サルビアの花が美しかった。ガーデニング好きなだけに、日時計よりも花壇が参考になった。
最後に宮沢賢治イーハトーブ館。宮沢賢治をリスペクトしたクリエイターたちのためのギャラリー。実際、彼ほど、演劇、音楽、映画等、ジャンルを超えて、彼を題材に新しい作品が作り出されている人物は少ないのでは。
展示よりも印象に残ったのは、クマに注意するよう呼びかける張り紙。岩手県の山はクマが出没すると聞いていたが、このような里山にまで下りてくるとは。この後、遠野に訪れた際も何人もの人から、一人で山に入る際に注意を受けた。
以上、淡々と報告を終了。
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