岩手旅行- 大沢温泉 自炊部で一夜を過ごす

2023年4月15日

宿は前日、前々日に楽天トラベルで予約するのが、このところの旅のスタイル。

スマートフォンの楽天トラベルのアプリで前日調べると「大沢温泉 自炊部」という珍しい宿の名前を発見。「自炊部」値段も夕食付きで3900円(税込)とリーズナブル。前日に予約を入れていた。

花巻駅・大沢温泉行きバス停

花巻郊外の宮沢賢治の観光テーマパーク巡りを終えてJR花巻駅へ。ここから花巻郊外の温泉に行く宿泊客のための乗り合いバスが出ている。看板には「山水閣」「菊水館」という古風な名前の下に「自炊部」という名前があった。温泉行きのバスは最終が17時25分。ほぼ定刻通りにバスが出た。途中、一つひとつ温泉旅館のエントランスに停車して宿泊客を下ろし、大沢温泉には40分ほどで到着。

大沢温泉 自炊部

大沢温泉は近代的な「山水閣」「菊水館」と旧館である「自炊部」に分かれている。バスを降りて自炊部の建物を見た途端、胸が高鳴った。素晴らしく古風な木造旅館。ここを選んで大正解だった。

玄関の戸をガラガラと開けると古風な帳場が、ギシギシと鳴る板張りの廊下を通って、一番奥にある8畳の和室に案内された。廊下と部屋はふすま一枚。廊下を宿泊客が歩く音も話し声もまる聞こえだけど、昔の旅館とはこんなものだったんだろう。

大沢温泉 自炊部

窓は入り口から入って前方と左側にあるが、仲居さんに左側は開けないようにと釘を刺された。すぐ下が女性の露天風呂とのこと。そう言われると、逆にのぞき疑われそうでドキドキしてしまう。窓を開けると、ひんやりと湿った清流のにおいが部屋に入ってきた。最高だ。

大沢温泉 自炊部

なお、古い建築物のため、全体で使える電気は限られているようで一部屋ごとに、電気の使用量が制限されていた。電気を使い過ぎるとブレーカーが落ちるようだ。特にドライヤーの使用は注意しなければならなかった。

夕食は食堂で食べた。大衆食堂のような雰囲気。ひっつみといなり寿司のセットだった。夕食付きで3900円だから、まぁ、こんなものだろう。もう少しよい料理を頼めばよかった。

大沢温泉 夕食

なお「自炊部」というだけあって自炊場もあり、何台ものガスコンロやまな板等が用意されていた。冷蔵庫には新鮮な野菜や肉も売られている。

大沢温泉 自炊部

売店はさながらコンビニのようで、飲み物・お土産物のほかにも、石鹸やシャンプー、タオル等の日用雑貨のほか、洗面器、タッパー等さまざまなものが並べられていた。コーヒーと地元のお菓子「くるめゆべし」「ごまゆべし」を買って部屋に帰った。

大沢温泉 自炊部

布団持参の長期滞在者向けの注意書きも。布団持参で来る人っているのだろうか?

大沢温泉 自炊部

夏の最中だけど、山の中なのであっという間に夜が更けた。

大沢温泉 自炊部

お風呂は近代的な露天風呂にも入れるし、「山水閣」「菊水館」にある豪華なお風呂にも入れる。せっかくなのので「山水閣」のお風呂に入った。ちなみに左は自炊部の帳場、右は「山水閣」のロビー。

大沢温泉 自炊部

帳場の隣は畳敷きでまったりできる和室があり、本棚には長期滞在者向けにいろんな本が置かれていた。首振り扇風機の風が心地よい。

大沢温泉 自炊部

大沢温泉は豊沢川の渓流の両岸にある。翌朝、小さな橋を渡って対岸へ出かけた。

大沢温泉 自炊部

ここには宮沢賢治が修学旅行で宿泊した建物「菊水館」が残っている。賢治さんファンの私としては、次回、訪ねた時はぜひこちらに宿泊したい。

大沢温泉 自炊部

たった一泊だったけれど、思い出深い一夜になった。

大沢温泉


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