セイタカアワダチソウとグローバル資本主義
今日、駐車場に行くと、先月まで咲き誇っていたセイタカアワダチソウが、見る影もなく枯れて果てていました。
私は、幼少の頃、1970年代を東大阪の工業地域で育ったのですが、工場跡の空き地、資材置き場、貨物線の線路脇はセイタカアワダチソウが生い茂り、年々、タンポポやススキ、オオバコ、ヒメジョオンといった雑草が駆逐されていきました。そのうち、日本の植物はセイタカアワダチソウばかりになってしまうんじゃないか、と、子供心ながら危機感を抱いていました。都会ではセイタカアワダチソウ、田舎ではマツクイムシが脅威であり、勝手に敵視しておりました。放課後、資材置き場に入ってはセイタカアワダチソウの駆除活動を“ボランティア”でやっていました。
セイタカアワダチソウのことを、小学校では、第二次世界大戦後、アメリカ軍の輸入物資に種子が付いてやってきた外来種であると教わりましたが、養蜂家が蜜を取るために輸入したとか、その由来ははっきりしません。ただ、日本固有の植物ではなく、日本にやってきたのは20世紀になってからのようです。
セイタカアワダチソウは、根から周囲の植物の成長を抑制する化学物質を出す特徴を持っています。これにより、1970年代、ススキやヒメジョオン等、他の植物が駆逐され、一時は大隆盛を誇ったのですが、この物質はセイタカアワダチソウ自身の成長も抑制することになり、結果、自家中毒を起こして衰退してしまったそうです。そういえば、最近、近くの河原では、セイタカアワダチソウよりもススキの方が大きな顔をしています。
なんてことを調べていて、ふと思ったこと
「グローバル資本主義」ってセイタカアワダチソウみたい。
20世紀、金融システムにより急激に成長。冷戦終了後、20年足らずで世界中に繁殖しつくした結果、自家中毒を起こしてしまったような‥‥。枯れ果てたセイタカアワダチソウに、「グローバル資本主義」の行く末を想う、秋の夜。
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