岩手旅行- 「超地方」で見た郵便・物流の実際
今回の岩手旅行を通じて思ったのは、どの街に出かけても、とにかく人が少ないこと。都道府県別の人口密度というと、47都道府県中で最下位の北海道68.65人は別格として、岩手県は83.78人で第46位、下から2番目である。一関、花巻の中心街でさえ、人通りはまばらだった。まして、山村部をドライブすると、10キロほどクルマも人もすれ違わないとということもあった。
そんな中、記憶に残ったできごとが二つあった。
一つは郵便配達。
早池峰神社から遠野市街に帰る途中、小雨の中、郵便配達の小型バイクがずっと前方を走っていた。早池峰神社のある集落を回って、別の集落へ向かう途上なのだろう。附馬牛町東禅寺のよろず屋(コンビニエンスストア)前のポストで郵便物を収集していた際、配達員に声をかけてみた。
20代後半くらいの男性。
「毎日、この道、走っているの?」
「ええ」
「雨の日も」
「ええ」
「だいたい何キロくらい?」
「100キロちょっとですかね。でも、もっと走っている人いますよ」
ちなみに、早池峰神社ではケータイの電波がつながらなかった。日本の「超地方」の通信・物流は、郵便が大きな役割を果たしていることを思い知った。
それから、もう一つが「よろず屋」。
附馬牛町東禅寺のよろず屋「鳥屋部商店」が興味深かった。今でいうコンビニエンスストアだが、チェーン店ではない。
木造二階建て、瓦ぶきの家屋の一階がお店になっている。シャッターではなく、引き戸が味わい深い。
店内はお菓子、飲み物、洗剤・蚊取り線香あんどの日欧品が、こまごまと並べ荒れていた。子供の頃に好きだったココナッツビスケットを一つ買った。80円だった。昭和の価格だ。果たして、商品の仕入れはどのくらいのサイクルで行っているのだろう。配達があるのだろうか?
付近にスーパーマーケットもチェン店のコンビニエンスストアもない。買い物をするなら、クルマで遠野市街の国道沿いの量販店まで大かけなければならないのだろう。
「超地方」の社会インフラについて、いろいろと考えさせられた。
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