「トンボ」と「ナマズ」って何の意味?
「トンボ」は製本する際、仕上がりサイズに紙を断裁する位置や、四色のフィルムの位置を合わせるために、版下の上下左右の中央と四隅に付ける目印。出版・編集に関わったことがある人なら誰でも知っている言葉だ。「トリムマーク」ともいうが「トンボ」の方がよく使われる。
その昔、私の元上司がDTP黎明期にPage Makerを印刷会社にセールスに出かけたときの逸話が面白かった。セールス先の印刷会社のおっちゃんに「で、これ、トンボはどうなるの?」と尋ねられ、聞き返すことができずに、一緒に出かけた部下と二人で「トンボって何なんだ?」と会社への帰り道でうなったそうな。
長年の慣用表現とは抜けないもので、私もときどき画面の上下を「天地」と言ってしまったりする。指示されたウェブデザイナーは、聞き返すことができず「?」と思っているのかも。
ネット業界に移った当初、ウェブサイトの企画をエンジニア数人と打ち合わせしたとき、これと同じような経験をしたことがある。ショップデータの検索をどうするかについて、「まずは、ナマズでいいんじゃない?」「そうだね、ナマズにするか」と複数のエンジニアがうなずき合っているのに、その場でどうしても「ナマズって何?」と尋ねることができなかった。
Namazu(ナマズ)は手軽に使える日本語全文検索システムの名前。Namazu projectの方々が開発。ウェブサーバーと連携してCGIとして動作させると、サイトの全文検索が可能になる。フリーウェア(無料)なので、サイト構築をする際は幅広く使用されている。
いつの間にやら、私も「まずは、ナマズでいいじゃん」なんて言うような人間になってしまったな。
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